baseのexp乗をmで割った余りを求める手続きexpmodは次のような定義になります.
(define (expmod base exp m) (cond ((= exp 0) 1) ((even? exp) (remainder (square (expmod base (/ exp 2) m)) m)) (else (remainder (* base (expmod base (- exp 1) m)) m))))
法演算について馴染みがないと, なぜ, この手続で余りが求まるか分からないと思います.
ここで簡単に計算の仕組みを説明します.
まず, 整数aをmで割った余りをr, 整数bをmで割った余りをtとします.
すると整数aとbは次のように表現できます.
a = qm + r b = sm + t
このaとbの和をmで割った余りを求めます.
a + b = (qm + r) + (sm + t) = (q + s)m + (r + t)
(q + s)mはmで割り切れるので, a + bをmで割った余りはr+tをmで割った余りと等しくなります.
aにある整数cを掛けた値をmで割った余りも求めてます.
ca = cqm + cr
caをmで割った余りはcrをmで割った余りと等しくなります.
続けて, aとbの積をmで割った余りを求めます.
ab = (qm + r)(sm + t) = qsm^2 + (qt + rs)m + rt
abをmで割った余りはrtをmで割った余りと等しくなります.
積についての結果から, aのx乗をmで割った余りはrのx乗をmで割った余りと等しくなります.
ここで, 手続きの定義に戻り, baseのexp乗をmで割った余りを考えます.
1)expが偶数のときを考えます.
baseの(exp/2)乗をmで割った余りをrとします.
上で計算した結果から, rの2乗をmで割った余りは, baseのexp乗をmで割った余りと等しくなります.
2) expが奇数のときを考えます.
baseの(exp-1)乗をmで割った余りをrとします.
上で計算した結果から, base*rをmで割った余りは, baseのexp乗をmで割った余りと等しくなります.
これらの結果から, 手続きexpmodによりbaseのexp乗をmで割った余りを求められることが分かります.
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