A.参考になったこと
- プロジェクトのメンバーと腹を割ってプロジェクトについて話し合いをする。プロジェクトマネージャが何でもできるスーパーマンである必要はない。
- プロジェクトの計画は自分たちで作り、上の承認をもらうこと。上から押し付けられた計画では成功しない。
- 問題の発見者は、その問題による被害者でもある。問題の発見者に問題の解決を押し付けると、誰も問題を報告しなくなる。
B.この本の残念なところ
B.1.ストーリーが面白く無い
小説のようなドラマ形式で部分的に記述していますが、面白くありません。みんな物分りが良すぎます。「ザ・ゴール ― 企業の究極の目的とは何か 」のような物語を期待してはいけません。
また、場面が進むごとに新しい登場人物が現れるので、人物の区別がつきません。もう少し、キャラを立ててもらいたいところです。
B.2.手法などが具体的でない
この本の主張は、PRPとDPMの実践にあると思います。問題は、PRP(プロジェクト計画再設定)に関して具体性に欠けていることです。
プロジェクト・メンバーが納得のいく計画を立てることは重要ですが、メンバーであるからといって精度の高い計画を立てられると思いません。
だいたい、計画をたてる段階では、見通しの甘さと自信過剰が合わさって野心的な計画を立ててしまうものです。何度も失敗しました(T_T)
つまり、作業工数の見積もりや計画を立てる方法についてほとんど触れられていないので、自分で甘い計画を立て、それにコミットし、達成できずに炎上する、という、最悪のパターンに陥りそうです(~_~;)
ということで、この本は、プロジェクトマネージャって何をするのか分からない、という人が、プロジェクトマネージャの心構えを知るために読む本です。具体的なプロジェクトマネジメントの手法については、別の本を読みましょう。